何年かセミナーに参加しているとおわかりと思うんですが、毎年講義の進行スタイルを変えています。
たとえば、前回のトリガーポイントについては、毎回イラストを交えて、かなり詳しいところまで解説し、実習しました。これは、既存の臨床伝統医療研究会テキストなどにトリガーポイントの解説が一行もないからでもありますし、参加の皆さんの知識の程度が低いと判断したからです。
もちろん、本当は筋の起始停止、作用なども説明しなければなりません。しかしほとんどしませんでした。これは、お手元に解剖学書があるから。小学校や中学校の授業ではありませんから、「はい、○○の○○ページを開いてくださいねー」とはいちいち言いません。疑問点があればその都度調べる、これが臨床伝統医療研究会のセミナーのスタイルです。これは大学の講義にも似ていますね(大学にもよるでしょうが)。
今年のセミナーについてもそうです。基礎セミナーの方は初学者が中心ですからかなり初歩的なことも説明していますが、レベルアップではしていません。説明しているのは、どうしてもこれを避けて話しをしては理解できないようなこと、特に重要なことのみです。解剖学書や臨床伝統医療研究会テキストに書いていることは説明していません。
たとえば、喫緊のレベルアップで言うと、按摩マッサージは五十肩についてしましたが、肩関節のベクトルについては説明しませんでした。関節腔内の可動域についても。いずれもこれまで説明してきたことですし、臨床伝統医療研究会テキストを開けば書いているからです。鍼灸ではのぼせをしましたが、現代医学的な観点からの解説はしませんでした。これは、既存の専門書を開けばどこにでも書いているからであり、あえて説明する必要がないと判断したからです。
もしわからない点があれば、質問してください。質問の手段は、メール、直接その他いろいろ用意しています。
臨床伝統医療研究会では、単なる「教えて君」「教えてさん」には優しくありません。積極的な「教えて君」「教えてさん」には努力を惜しみません。
「治す」「治る」に役立つ豊富な内容を提供し、できるだけ臨床力をつけていただくように努力しますが、参加者にもそれ相応の努力を求めます。
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